【考察】『鬼滅の刃』の人気が出た理由
大ヒットマンガ『鬼滅の刃』
マンガもアニメも映画も爆発ヒットした『鬼滅の刃』。
アニメ2期、映画『無限列車編』のアニメ版はいまいちのようですが、それでも一定の人気を保っています。
では、『鬼滅の刃』はなぜ人気マンガとなったのか、マンガ大好き人間、ジャンプを読んで20年以上の私なりの考察を述べていきましょう。
鬼退治というシンプルなストーリー
『鬼滅の刃』は家族が鬼に殺され、妹を鬼にされた竈門炭治郎という少年が鬼の親玉である鬼舞辻無惨を倒すことを目指して冒険するストーリーです。
この「鬼退治」というわかりやすい設定がウケた理由のひとつではないでしょうか。
日本で有名な昔話のひとつが『桃太郎』です。
旅をして、仲間を見つけて、鬼を倒す。
このシンプルな設定が多くの人の潜在意識に植え付けてあったからこそ普段はマンガやアニメを見ないような人たちにも受け入れられたのではないでしょうか。
「友情」「努力」「勝利」の3原則
「友情」「努力」「勝利」の3原則は『週間少年ジャンプ』の3大原則として有名なものです。
ジャンプで人気が出たマンガはほとんどがこの原則に則っていますし、逆に合わないような作品はジャンプからはじかれています。
『鬼滅の刃』はしっかりとこの原則に則っていますよね。
我妻善逸や嘴平伊之助をはじめとした仲間たちとの友情。
炭治郎の努力。
そして、どんなに勝つことが難しそうな鬼であっても最後には勝利する。
正にジャンプの王道のど真ん中を走り抜けたマンガと言えるでしょう。
才能がない主人公
個人的には一番人気が出た理由はここにあるのではないかと思っています。
主人公の炭治郎には、あらゆる才能がないということです。
刀を握ったことがないのになんだか強いとか、ピンチになった時に突然能力が目覚めるとか、実は生まれながらにして特殊な能力者だったとか、そんなことは一切ありません。
ただただ全ての局面を「努力」で乗り越えていきます。
ここ最近、一部の界隈では「転生モノ」が流行っています。
転生して異世界に飛んだらなんだかよくわからないけどその世界では無双できるというとんでもストーリーです。
これがウケている背景には努力はしたくないし、自分から挑戦もしたくないけど、なんだか生活していたら自分の地位が上がらないかなという願望を抱えている人が多いからでしょう。
それに比べ『鬼滅の刃』は正反対です。
炭治郎は文字通血の滲むような努力を続けていくのです。
この姿を見て、自分も頑張ろうと元気をもらった人たちが多くいたのではないでしょうか。
おわりに
ここまで『鬼滅の刃』の人気が出た理由について語ってきました。
結局はシンプルな設定がウケたとまとめることができるのではないでしょうか。
原点回帰と言い換えることもできるかもしれません。
『鬼滅の刃』を越えるマンガはまたしばらく現れないかもしれませんが、次に人気が出るマンガも「シンプル」と「原点回帰」がポイントになるかもしれませんね。